
特定調停の概要
任意整理と似た効果がありますが、任意整理による和解書が債務名義にはならないのに対して、特定調停の調停調書は債務名義となる点が大きく異なります。つまり、特定調停において約束した返済が滞った場合、すぐに強制執行される危険性があるのです。
また、一般的に過払い金の回収はできません。
これらは任意整理と比較した場合、大きなデメリットです。したがいまして、現在では、債権者の中に商工ローン等の強硬な業者が含まれる場合を除き、司法書士や弁護士が特定調停を利用することはほとんどありません。司法書士や弁護士なら、わざわざ裁判所に行かずとも、任意整理を行うことによって同様の結果が得られるからです。特定調停は、債務者が自分で債務整理を行うときに利用されるケースが多いようです。
ここ数年、「特定調停サポート〜〜」や「特定調停〜〜会」と名乗り、しきりに特定調停を進めるサイトが増殖していますが、注意してください。安易な特定調停の利用は、自らの首を絞めることにつながります。
自ら特定調停を行うならば、業者や調停委員に負けないくらいの勉強をして臨まなくてはなりません。
最終的には自分で特定調停を行うにしても、手続の選択(本当に特定調停が最善の方法なのかの判断)に関してはお近くの司法書士や弁護士に相談されたほうが確実です。
特定調停のメリット
- 引き直し計算によって、借金の額が減額されます。
- 将来の利息をカットすることができます。
- 期限の利益を回復し、3年から5年の分割払いを組むことができます。
- 自己破産や個人再生と違って官報には掲載されないため、職場や知人に知られる可能性が低いです。
- 申立てにより、債権者の取立てや請求が制限されます。
- 調停前の措置命令により、保証金なしで保全措置が受けられる可能性があります(給料の仮差押え等を防ぐことができます)。
- 民事執行停止の申立てが担保なしで受けられる可能性があります。
- 分割払いに応じようとしない業者がいる場合も、調停委員から分割払いの決定(17条決定)を出してもらえる可能性があります。異議が出ると17条決定は効力を失いますが、任意整理に応じないような強行な業者に対しても一定の効力があります。
- 調停委員は、取引履歴の開示に応じない業者に対して文書提出命令を発令することができ、債権者に対しては一定の強制力があります。
- 債権者全員ではなく、特定の債権者を選んで申立てができます。
特定調停のデメリット
- ブラックリストに載りますので、5年〜7年(と言われています)の間、まっとうな業者からは借金ができなくなります。
- 原則的に元本の減額はできません。これに対して、個人再生では元本の減額が可能です。
- 調停調書が債務名義となるため、支払いを怠った場合すぐに強制執行を受ける可能性があります。
- 過払い金が生じていても、回収することができません(別途、過払い金請求訴訟を提起します)。
- 原則として、調停成立までの遅延損害金が債権額に加算されます。(任意整理ならば、加算されずに済むケースも多いです)
- 申立てにあたっては様々な書類が必要になりますので、任意整理よりも手間がかかります。

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