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少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払いの請求について、通常の訴訟よりも簡易・迅速な解決を図ることができる制度です。
少額訴訟には次のような特徴があります。
少額訴訟の審理は、通常の法廷とは異なり、円卓を当事者や裁判所関係者が取り囲む形の小さな法廷(ラウンドテーブル)で行われます。 ここでは、通常の訴訟のように請求原因事実の主張、証拠調べといった点を意識することなく、かなり自由に発言することが許されています。 また、少額訴訟における口頭弁論期日の冒頭には、裁判官より手続についての説明が丁寧に行われます(民事訴訟規則第222条)。 少額訴訟の制度は、法律に詳しくない一般市民が簡単に利用できるように様々な工夫が行われています。
民事訴訟法第370条は、「少額訴訟手続においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない 」と定めています。 「一期日審理の原則」と呼ばれておりますが、これによって紛争の迅速な解決が図られることになります。 また、少額訴訟の請求認容判決には必ず仮執行宣言が付されますので、確定を待たずに強制執行手続に移ることが可能です。
少額訴訟の対象は、「60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴え」に限られます(民事訴訟法第368条)。したがいまして、物の引渡しを求める訴えは、その対象物がどんなに安くても少額訴訟を利用することができません。
同一の簡易裁判所で同一の年に利用できる少額訴訟の回数は10回までとされています(民事訴訟法第368条)。
少額訴訟において利用できるのは、「即時に取り調べることができる証拠」に限られています(民事訴訟法第371条)。
たとえば、第1回口頭弁論期日に出頭していない証人に対する尋問などは認められません。 したがいまして、少額訴訟を利用する場合、原則的には全ての証拠を第1回期日までには揃えておく必要があります。
少額訴訟における判決に対しては、控訴をすることができません(民事訴訟法第377条)。少額訴訟における判決に対しては異議を申し立てることはできますが、異議後の審理による判決に対しては、やはり控訴することができません(民事訴訟法第380条) したがいまして、勝訴できるかどうか曖昧な場合、少額訴訟を利用するには注意が必要です。
少額訴訟の訴状を提出しても、相手が行方不明の場合には、裁判所の職権で通常の訴訟に移行させられてしまいます(民事訴訟法第373条3項3号)。
少額訴訟で原告の請求を認容する判決がなされる場合、裁判所が職権で3年までの分割払いを命じることができます(民事訴訟法第375条)。
これには原告の同意を必要としません。つまり、原告がいくら一括での支払いを望んだとしても、裁判所から勝手に分割払いとされてしまう可能性があります。