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悪徳業者が勧誘をする際、消費者が「お金がなくて迷っている・・・」という態度を見せると、必ずクレジットの利用を薦めてきます。クレジットはうまく利用できれば国民の生活を豊かにしてくれますが、利用の仕方を間違えると非常に有害なものになります。
現在の日本において、クレジット会社の審査は必ずしも適切に行われているとは言えず、過剰な与信が問題となっています。クレジット会社の杜撰な審査・過剰与信が、悪徳商法の拡散問題・多重債務問題を招く一因になっているとも言われています。
クレジットを利用して悪徳商法業者と契約してしまった場合、消費者は悪徳商法業者との売買契約(役務提供契約)等の他、クレジット会社との立替払契約を締結したことになります。消費者と悪徳商法業者との売買契約と、消費者とクレジット会社との立替払契約は別のものと考えられていますので、仮に消費者と悪徳商法業者との契約が解消されても、当然に消費者とクレジット会社との契約が解消されるわけではありません。したがいまして、消費者としては、悪徳商法業者への対応とは別に、クレジット会社への対応も行わなければなりません。
クレジット会社への基本的な対応方法としては、抗弁権の接続(支払停止の抗弁)が挙げられます。また、消費者がクレジット会社に支払ったお金を取り戻す方法(既払金返還請求)も近年注目を集めています。
この他、クレジット会社と悪徳商法業者の間で赤伝処理(悪徳商法業者からクレジット会社にお金を返還する)が行われることがあります。
消費者が悪徳商法業者に対して代金の支払い等を拒絶できる事由が生じている場合、割賦販売法により、消費者はこの事由をクレジット会社に主張し、クレジット会社への支払いを拒絶することができます。これが抗弁権の接続(抗弁の接続、支払停止の抗弁)と呼ばれています。
法律的には、あくまでも支払いを拒絶するに留まるものであり、終局的な解決ではありませんが、クレジット会社からの悪徳商法業者に対する赤伝処理をうながす効果は見込めます。抗弁権の接続は、支払金額が4万円以下である場合や、売買契約が購入者にとって商行為になる場合には認められていません。
抗弁権の接続により、クレジット会社への以後の支払いは拒絶することができます。しかし、消費者が既にクレジット会社にお金を支払ってしまっている場合、これを取り戻されなければ、消費者の完全な救済にはなりません。この「消費者が既にクレジット会社に支払ったお金」を既払金と呼び、既払金の返還請求の可否が大きな議論となっています。
抗弁権の接続は、悪徳商法業者に対する事由をクレジット会社に請求できますが、既払金の返還までは認められていないという考え方が支配的です。したがいまして、既払金の返還請求は、抗弁権の接続とは別の法律構成をとることになります。
「悪徳商法業者が実質的にはクレジット会社の代理人(もしくは使者)としてクレジット契約を締結しているから、悪徳商法業者の詐欺によりクレジット契約も取り消すことができる」や「悪徳商法業者とクレジット会社には密接な関係がある」といったものが、現状の既払金返還請求の根拠とされていいます。
現状では、既払金の返還請求を認める判例や学説は多くありませんが、割賦販売法の改正により、一定の条件の下での既払金返還が認められるようになる見通しです。